マルチエージェントとは??
このnoteでは、マルチエージェントについてまとめていきます。
個人的な備忘録です。*自分用に書いています
1. マルチエージェントワークフロー (Multi-Agent Workflow)
わかりやすい定義:
マルチエージェントワークフローとは、たくさんの「デジタルな担当者(エージェント)」が協力し合って、一つの大きな仕事をやり遂げるための進行表のようなものです。
たとえば、あなたが大きなプロジェクト(本を書く、アプリを作る、調査レポートを仕上げる)に取り組むとき、いろんな役割の人が必要になります。設計者、ライター、編集者、リサーチャー…。これらをすべて「エージェント」にたとえたとき、彼らが順番や役割分担に従い、情報交換や外部ツールを使いつつ段階を踏んでプロジェクトを完成させる一連の流れが、マルチエージェントワークフローです。
ポイント:
複数の専門的役割を持つエージェントがいる
互いに情報をやりとりし、タスクを進める
大きな目標に向かって段階的に成果を積み上げる
2. エージェント (Agent)
わかりやすい定義:
エージェントとは、**特定の得意分野や役割を持ち、与えられた情報をもとに行動する「賢いデジタルな助っ人」**です。
人間で例えるなら、
「設計エージェント」は設計図を描くエキスパート、
「文章エージェント」は文章を書くのが得意、
「分析エージェント」はデータ解析が上手い、 といった感じです。 これらのエージェントは、メッセージを受けたり、外部のツールを使ったりして自分の得意分野でタスクをこなし、その結果を他者へ渡します。
ポイント:
特定の役割・能力を持つ
情報を理解し、タスクを遂行
必要に応じて他エージェントやツールと連携
3. ツール (Tool)
わかりやすい定義:
ツールとは、エージェントが自分だけではできない処理を代わりにやってくれる「外部の便利道具です。
例えば、計算機、ウェブ検索機能、PDF生成機能などがツールにあたります。エージェントはツールに対して、「この計算をして」「これを検索して」などと指示を出し、結果を受け取ります。
人間が「電卓」や「検索エンジン」を使うのと同じイメージです。
ポイント:
エージェントが外部APIや機能を使うための「手段」
入力(引数)と出力(結果)が明確
計算・検索・ファイル作成など、さまざまな処理が可能
4. コマンドスタック (Command Stack)
わかりやすい定義:
コマンドスタックは、実行すべき「やることリスト」(指令)を積み上げた山のようなものです。
スタック(山)は、上に積んだものから先に取り出す仕組み(後入れ先出し)です。
これによって、
やるべきことを上から順に実行し、
終わったら取り除き、
必要な新しいタスクはさらに上に積む といった流れで、複雑な作業手順を管理できます。
ポイント:
やるべきタスク(コマンド)を順序正しく管理
柔軟に新タスクを追加、完了タスクを除去
フロー制御やエラーハンドリングがやりやすい
5. ヒューマンインザループ (Human-in-the-Loop)
わかりやすい定義:
ヒューマンインザループとは、「人間が間に入って、ロボット(エージェント)の処理をチェックしたり、指示を出したりする」仕組みです。
完全自動ではなく、人間が途中で「ここはこうして」「これじゃダメだからやり直して」と介入できます。これによって、誤った方向に進まないよう見張ったり、人間特有の判断を加えたりできます。
ポイント:
人間が中間点でフィードバック可能
エージェントの自動処理を正しく修正・誘導
信頼性・柔軟性向上
6. 終了条件 (Termination Condition)
わかりやすい定義:
終了条件とは、「これ以上作業を続けない」ための明確な合図やルールです。
例えば、ユーザーが「もういいよ、止めて」と言ったり、一定回数以上やりとりしたらストップしたり、特定のキーワードが出たら作業を終了する、といったルールを決めておくことで、無限に処理が続かないようにします。
ポイント:
適切な時点でワークフローを終了
無意味なループや時間浪費を防止
7. チーム (Team)
わかりやすい定義:
チームとは、**複数のエージェントを一つのグループとしてまとめ、役割分担して目標達成を目指す「エージェントの集団」**です。
人間社会のプロジェクトチームと同じで、それぞれ得意なことが違うエージェントたちが、お互いに情報を交換しながら、大きな仕事を成し遂げます。
ポイント:
複数エージェントの集合体
共通の目標・プロセス
連携によって生産性・解決力アップ
8. 役割 (Role)
わかりやすい定義:
役割とは、「そのエージェントがどんな役目を果たすのか」を明示した肩書きです。
これを明確にすることで、「誰が設計するのか」「誰が計算するのか」「誰が情報検索を担当するのか」などがはっきりし、混乱や衝突を避けられます。
ポイント:
エージェントや人間が何を担当するかを区別
明確な役割分担で効率的な作業進行
9. システムメッセージ (System Message)
わかりやすい定義:
システムメッセージとは、**エージェントに最初に渡す「基本方針」や「行動指針」**です。
たとえば、「あなたは丁寧に答えてください」「ユーザーが怪しいことを言ったら断ってください」など、エージェントが基本ルールとして従うべきガイドラインを提示します。
これによって、エージェントは終始一定のスタイルや制約下で動きます。
ポイント:
エージェントの人格・態度・禁止事項を定義
一貫したふるまいを実現
10. 行動ポリシー (Behavior Policy)
わかりやすい定義:
行動ポリシーは、エージェントが「どんなときに何をするのか」という行動ルールの詳細プログラムです。
「ユーザーが曖昧なら質問を返す」「ツール呼び出しが必要なときは計算ツールを使う」「終了条件が満たされたら作業を止める」など、判断の基準を定めます。
ポイント:
具体的な判断基準や手順
複雑な状況でも一定のロジックで行動
11. 状態 (State)
わかりやすい定義:
状態とは、「今どんな途中経過まで来ているのか」や「これまで何をしたか」というメモや記録です。
エージェントは、過去の会話、使ったツールの結果、残されたタスクなどを内部に保持し、それを参照して次の行動を決めます。
状態があるからこそ、長いタスクでも途中経過を忘れずに続けられます。
ポイント:
過去履歴や中間結果を保持
コンテキストを失わない持続的作業が可能
12. 認可・安全性 (Permissions & Safety)
わかりやすい定義:
認可・安全性は、「エージェントが何にアクセスして良くて、何が禁止か」を管理し、悪用や情報漏えいを防ぐ仕組みです。
たとえば、「このエージェントは機密ファイルにアクセスできない」「一定の条件下でしかツールを使えない」などのルールを設け、安全かつ適正な権限範囲で動かします。
ポイント:
不正アクセスや不適切行動防止
信頼性・セキュリティを確保
総合的に:
マルチエージェントワークフローは、複数の「仕事人(エージェント)」が協力して目的達成するための全体的な仕組み。
エージェントは、その中で特定の役割を持ち、ツールを使い、システムメッセージや行動ポリシーに従いながら作業する「専門スタッフ」。
ツールはエージェントが能力を広げるための「外部サービス」。
コマンドスタックは作業手順を積み重ねて管理する「やることリスト」。
ヒューマンインザループで人間が介入すれば、エージェントの自動処理を補正可能。
終了条件でタスクは無限に続かず、適切な時点で終わる。
チームはエージェントの集合であり、役割を決めて効率的な協働を実現。
システムメッセージと行動ポリシーでエージェントの行動指針が定まり、状態で進捗が管理される。
最後に、認可・安全性によって安心してシステムを運用できる。
これらの定義を踏まえれば、マルチエージェントワークフロー内での要素が有機的につながり、分かりやすく理解できるはずです。